◆補綴治療(かぶせ物、差し歯、入れ歯)
補綴(ほてつ)治療とは歯の欠損を、クラウンやブリッジ(かぶせ物のことです)や義歯(入れ歯のことです)などの補綴物を用いて修復し、再び噛み、発音し、審美的に顔貌を回復させる治療です。
一口に補綴物といっても単に欠けたところを埋めればよいというものではありません。わずか0.1ミリの高さの狂いは歯を周囲の組織の破壊や顎関節症を引き起こします。段差や継ぎ目のあるクラウンやブリッジといったかぶせ物は、汚れがたまる部位となって歯ぐきが炎症を起こして歯周病の原因となっています。あっていない入れ歯は噛んだりしゃべりにくいだけでなく、入れ歯が乗っている骨の急激な吸収(骨がやせてしまう)をもたらし、ついには入れ歯すら入れられなくなってしまいます。また高さの低い補綴物は口元のしわやたるみの直接の原因であるため、実際より老けて見えたりします。
多くの歯科医院では型取りをアシスタントが行っているのを目にされるかと思います。しかし当院では正式の型取りはすべてドクターが行います。当院のかぶせ物は不潔域となりやすい部位を避け歯ぐきの下約0.5ミリに境界を設定しています。歯ぐきに守られたこの位置に境界を持ってくることで再び治した歯が虫歯になることを防ぐのです。
最近では中国製の技工物が医療用品ではなく雑貨として国内に入ってきており、安全性が問われていますが、当院にはベテランの技工士が勤務しており技工物の作成にあたっています。技工物も単に型を取った石膏模型上で作成するのではなく、咬合器と呼ばれる口腔内のかみ合わせの状態を再現する器械の上で、有害なかみ合わせにならず、かつできるだけかみやすいよう作成されます。
このようにしてつくられた補綴物を、患者様のお口の中で調整します。簡単そうな作業ですが、100分の1ミリ単位での調整であり、この調整が正しく行われていない補綴物は巷でたくさん見られます。
当院では入れ歯の作成においても、残存歯に負担をかけないように精査の上で設計され、負荷をかけるべきところには負荷をかけてできるだけ満足いくかみ心地を実現するようにしています。当院の部分入歯の特徴として、残存歯の周囲にぴたりと沿う床(しょう・プラスチックの歯ぐきを覆う部分のことです)であるため、一般的な入れ歯に比べ格段に落ち着きがよく、がたつきがありません。総入れ歯の吸着力においては吸盤のように真空状態を作り出すため、歯ぐきの状態にもよりますが、大人が全力で引っ張っても空気を入れない限り外れないほどです。
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